▼歯がグラグラする
▼歯が動き歯並びが悪くなる
▼歯茎からの出血や膿が出る
▼歯茎が腫れる
▼口臭の発生
歯周病は口腔内に住む細菌が、食べかすを元にして作った歯垢(プラーク)に住みつき、
歯の周りの骨を溶かしていきます。また、全身状態や噛み合わせ、喫煙、生活習慣といった様々な要素が
それに複雑に関係しています。
歯垢の中の細菌が毒素を出し、歯茎に炎症を起こし赤く腫れた状態になり、出血しやすい状態になります。
治療は歯ブラシと簡単な掃除だけで治ります。
P1段階のまま放っておくと次第に骨が吸収を起こし、歯と歯茎の間に深い溝(ポケット)をつくって、
その中に歯石(歯垢が固くなって歯の根の表面にこびりついたもの)をつくり、歯がしみたり、歯茎が腫れたり、
歯がグラグラと動いたりします。歯ブラシや簡単な歯茎の掃除だけでは治療が困難となり、
深いポケットの念入りな掃除が必要になります。
P2段階の症状がどんどん進んで、骨の吸収が進み歯が動いて噛みづらくなり、ポケットから膿が出たり腫れたり
します。又、口臭がし、歯が徐々に動いて歯に隙間が出てきます。治療は深いポケットの念入りな掃除に加えて
外科手術が必要になります。
歯根の先まで骨がなくなり、歯を抜くことでしか治療ができなくなります。
歯周病のメカニズム
歯周病の発症は歯周病原菌の感染によって起こります。
口腔内には300〜400種類の細菌が存在していますが、その中でも特に歯周病に特異な細菌が存在します。
これらの菌が、歯肉溝(歯と歯ぐきの境目)の中で異常増殖すると歯周ポケットさ形成され、付着部が歯面からはがれ、続いて歯肉が腫れ、歯槽骨の破壊を起こさせます。
歯周病とバイオフィルムの感染
健康な歯肉溝では、バイオフィルムの75%が常在菌(グラム陽性好気性球桿菌)であり、歯周病の病原性はありません。成人型歯周炎の歯周ポケットでは、グラム陽性嫌気性桿菌が75%を占め、健康な歯肉溝と歯周病の歯周ポケットのバイオフィルムには大きな違いがあります。歯周病に罹患した歯周組織を健康な組織にするためには、この嫌気性菌、グラム陰性菌、スピロヘータの数を減らさなければなりません。
家族に感染する可能性
歯周病菌は、細菌(A.A菌、P.G菌など)が外部から侵入して口腔内で増殖することによって感染し、発症します。
そのため、夫婦間・親子間で感染、伝染する可能性があることから家族全体を対象としち治療を行う必要性があります。
歯ぐきの中、歯周ポケットの中の歯根の部分にこべり付いています!!治療はこの歯石を取ること。
深いポケットには麻酔を行い、届く限りの歯石をスケーラーという器具を使って除去していきます。
歯周病の進行状態を数値で検査し、検査値はipadにて管理を行っています。データは蓄積され、治療前後での比較を容易に行うことができます。また、歯ブラシの磨き残しの場所も一目瞭然。データはプリントしお渡ししますので、ご希望の方はお申し付けください。
歯ブラシの磨き残し部分もチェックします!
あなたの歯ブラシは適切でしょうすか?
ご自分の弱点、クセを修正しましょう。
リスク(危険因子)があると急激に進行する
成人の歯周病は、30歳ぐらいから自覚症状もなく発症し、適切な処置を行なわないかぎり加齢とともにゆっくり進行します。
また”喫煙””糖尿病””薬剤の服用””よくない歯の治療”などのリスクファクター(危険因子)が重なった場合、特にダブル、トリプル、マルチプルに重なるほど急激に悪化します。
その他、10代の人にも見られる全身的な影響によると考えられる早期発症型歯周病があります。
歯周病に侵されていた場合には、どのようなパターン、スピード段階にあるかを正確に診断することが重要です。
喫煙者は歯周病にかかりやすい
歯周病を憎悪させる危険因子として、喫煙したタバコの総蓄積本数が重要視されます。
多ければ多いほど危険は増大します。
喫煙が歯周組織に与える悪影響の主な作用は
① ニコチンの血管収縮作用 (歯肉への血液の流れが悪くなり、酸素や栄養が欠乏、老廃物の除去がうまくいかない)
② 歯肉の繊維化 (出血などの症状が出にくく、手遅れになりやすい)
③ 白血球の機能の抑制 (細菌と闘う白血球の機能が50%も減少する)
④ 歯肉の修復機能に対する悪影響 (歯周病の治療に必要な線維芽細胞の働きを抑え、治癒に対する反応が遅くなる)
喫煙をすれば危険度は減少し、1〜4年で改善していきます。
たとえ喫煙に失敗しても、あきらめずにトライしてください。蓄積本数は少ない方が相対的に歯周病は悪化しにくくなります。
女性の口腔健康状態は、障害のさまざまなステージに応じて変化します。たとえば、思春期、更年期などの身体の成長、廊下に伴う変化の時期や、月経、妊娠期間などは身体だけではなく、口の中の状態も変化するのです。
それは、プロゲステロンやエストロゲンという女性ホルモンの分泌量の変化が口腔内の血液循環やプラークの細菌などを敏感に反応させるからです。特に、妊娠期間は赤ちゃんの影響も考えて、審査診断と予防指導をぜひ受けてください。
お渡しリーフレット
参考書籍:歯周病とう蝕の健康管理ファイル 著者 熊谷 崇 医歯薬出版株式会社